2016年、2019年と立憲野党が積み重ねてきた32の1人区すべてでの候補者の一本化が今回わずか11にとどまり、また、その11の選挙区でも選挙共闘体制の構築が不十分に終わった結果、勝利できたのは青森、長野、沖縄の3県だけに終わった。
2016年に11議席、2019年に10議席を1人区で勝ち取ったことと比較して、野党共闘の不発が今回の選挙結果に結びついたことは明らかである。各地の選挙区で厳しいたたかいを最後まで懸命にたたかい抜いた全国の市民連合の皆さんに深い敬意を表するとともに、立憲野党各党には本格的な共闘への取り組みをまずは国会で一刻も早く再開することを呼びかけたい。
むろん1人区だけでなく、複数区や比例区のたたかい方でも課題は見られた。複数区で日本維新の会の全国政党化を阻止したのは極めて重要な成果であったが、特に比例区において立憲野党各党は伸び悩み、日本維新の会や右派小政党に隙を突かれた。これらの課題は立憲野党だけでなく、私たち市民連合も今一度大きな広がりを作り直していくことが不可欠であることを示している。
結果としては改憲勢力に3分の2を許してしまったが、安倍元首相の殺害という重大事件によって選挙戦が最終盤で大きく歪められてしまったことに加えて、もともと岸田自民党がいかなる政策も明確に訴えなかったこともあり、9条改憲や歯止めなき軍事力強化路線が信任されたとは到底言えない状況である。市民連合としては、自己目的化した改憲の企てを阻止し、いのちと暮らしを守る政治の実現を求める広範な取り組みを建て直していきたい。
2022年7月11日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
市民連合「第26回参議院選挙に関する声明」